デーモンコアくん
こんにちは、ナツカワです。
最近流行っていますね、デーモンコアくん。
放射線に関する授業ばっかりを受けているので
少しだけ解説を…と思いました。
(専門知識を持たない方向けです)
もし、間違いがありましたらご指摘ください。
なお、クレームは受け付けません。
デーモンコアはご存知の通り、半球の真ん中をマイナスドライバーだけで支えて
くっつかないようにしているものです。
デーモンコアくんは、必ずマイナスドライバーを吐き出してくっついて青い光を出す、というオチで締めます。
周りにいるうさぎさんたちは
光を浴びると消えてしまいます。
かわいいですね。
中性子線を浴びて、笑顔で消えることができるなら幸せです。
実際はもっと悲惨です。
青い光の正体
あの青い光…なんでしょうね?
あれは、チェレンコフ光と呼ばれるものです。
(諸説あり)(Wikipediaにはチェレンコフ光ではないと記載されています。計算式も書いてありますが、ソースがないので個人的解釈だと思われます。つまり、私は信じていません)
チェレンコフ光は、砕いて言えば
荷電粒子が物質中をその物質中の光速度より速い速度で移動するときに、エネルギーが光となる現象です。
基本的に空気中で起こる現象ではありません。
では、なぜ青い光が見えたのか。
JCOの臨界事故で、3人の方が放射線を浴びてしまったそうです。
(私が生まれた前後に起きた事故なので、知りませんでした。)
そのうちの1人が、"青い光が見えた。"
と証言しているそうです。
しかし、現場を映すビデオで確認しても青い光は見えないらしいです。
青い光が見えた理由は、人の眼の水晶体に放射線が走って、チェレンコフ光と同じ現象が起きたのではないか、ということです。
目を瞑っていても青い光が見えるそうです。
(中性子線は軽くまぶたを透過するので当然)
なんでデーモンコアくんは怖い?
実際には中性子線が拡散されるので
身体中のDNAが引きちぎられます。
(放射線は基本的には結合をちぎる、と思うといいかもしれません)
なので、水晶体や小腸など
古い細胞から新しい細胞に変わるのが早い部分ほど
(ちぎれてしまったDNAを治せないままに健康な細胞が死んで、新しい細胞が作れなくなってしまうからですね)
放射線に弱く、すぐダメになってしまいます。
そういう訳で、デーモンコアをくっつけてしまった博士はすぐに亡くなってしまいます。
放射線の線源から遠ければ遠いほど
身体的影響は小さくなっていきます。
(当たり前)(短期間に大量の被曝をするとヤバい)(同じ被曝量でも長期間にゆっくりな被曝だとマシ)
つまり、放射線が怖いと思われる所以はDNAが壊されることにあります。
中性子線の遮り方
ちなみに、放射線の種類によって効果的な遮蔽物質は変わってきます。
デーモンコアくんが発する中性子線はとても小さいので、ターゲット物質が大きいと弾性衝突が起きにくいです。
放射線は弾性衝突を繰り返してエネルギーを失っていくので、遮蔽物質は水素原子を多く含む水です。
(コンクリも)
放射線について一般的な認識しか持たれていない方は、鉛などの重元素(原子番号の大きいもの)を遮蔽に使うと思われ、意外な事実なのではないでしょうか。
以上、放射線を扱う材料屋さん(?)のお話でした。